「自利利他」とは「自利トハ利他ヲイフ」と解釈され、大乗仏教の経典に登場する言葉で「他人の利益のために働くという行為が自分にとって本当の喜びであり、幸せである」という意味を持っています。
TKC全国会の基本理念である「自利利他」について、飯塚毅初代会長は次のように述べられます。「世のため人のため、つまり会計人なら、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。」とされて、このような心境に至り、社会のために尽くすことで、人は心から生き甲斐を感じることができるとしています。(『TKC会報』1998年新年号、抜粋)」
※この言葉は、「TKC全国会」の創立者である飯塚毅氏がその組織の基本理念として位置づけたものです。
私達が学ぶ倫理研究所の初代会長・故丸山敏雄先生の書かれた「事業の倫理、成就の倫理」(新世、昭和26年10月号)で、事業の目的について「人のため、世のためにと一心に念ずる心が事業家の根本に確立されており、それ(初志、創業精神)を貫きとおすことこれが事業繁栄の秘訣である」として事業の目的をどこに置くか、そしてそれを永続させることが大切であると説かれています。
私達は、このような先人の理念に共鳴し、お客様の一スタッフとして、お客様の事業の安定的・継続的発展(利他)のために最大限の努力をしていきます。そしてお客様企業の皆様と共に輝くことが、私達の喜び(自利)となり、延いては働くメンバー全員の幸せに繋がる、それを私達のポリシー、事業の目的としています。
周知のとおり、令和5年10月1日から消費税の適格請求書等保存法式(インボイス制度)が始まります。インボイス制度の開始は、経理事務のみならず、企業間の取引、経営にも影響し、特に免税事業者はインボイス制度への対応の検討が必要となります。
インボイス制度実施後に消費税の仕入税額控除を行うためには、仕入先事業者からインボイスの交付を受け、これを保存しなければなりません。インボイスを発行できるのは所轄税務署長の登録を受けた課税事業者のみであり、免税事業者はインボイスを発行することができません。
ここで免税事業者は次の選択を迫られることとなります。①適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し消費税課税事業者となる。②免税事業者のままでいる。
どちらを選択しても経営に大きな影響が出ることは間違いありません。免税事業者は消費税を納めていませんが、売上に際して消費税を収受しているケースが多く、その消費税の収受金額はそのまま免税事業者の利益となっています。免税事業者が消費税課税事業者を選択すれば、この利益が失われることになり、経営(資金繰り)に悪影響が出てしまいます。
また、免税事業者のままでいても、取引先から取引自体の見直しや価格改定要請を受ける可能性があります。このような免税事業者の事情に配慮し、令和5年10月1日~令和8年9月30日の3年間は仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日~令和11年9月30日の3年間は仕入税額相当額の50%の仕入税額控除を免税事業者との取引において認める経過措置が設けられています。
免税事業者は取引先の状況や意向を確認するなど、インボイス制度開始による影響を十分に検証していく必要があります。また、免税事業者を仕入先に持つ事業者にとっては、下請法の考え方にも理解が必要になります。インボイス制度への対応については、まずは当事務所にご相談ください。
(参考)
「インボイス制度公表サイト(国税庁HPより)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
「インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法の考え方(公正取引委員会HPより)」
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice/invoice_jirei.pdf